世界初の新技術

T. 東京セラミック社は第一段階で、シンクタンク(テクノロジーシンジケート)を活用して生産性効率の大幅向上を目指した∨−1計画を立案し、旧ソビエト連邦でも研究されていた磁場による表面改質を改良し、超誘導磁場エネルギー用照射処理法インプレートIPXの開発に成功しました。ダイカスト金型、プレス金型、その他金型、切削工具専の寿命を延長させる画期的な表面処理プロセスです。

U. このINPLATE−IPX処理は∨−1計画のなかで中核となっています。従来の表面処理では、マイクロチップ、半導体にも応用されている薄膜コーティング(PVD、CVD、IVD、PCVD、その他真空処理)、窒化処理、硬質クローム、テフロン処理、モリブデン処理、タフト処理など多くの表面改質技術が使われていますが、インプレートIPX処理を組み入れることにより相乗的な効果が得られます。

V. INPLATE−IPX処理は各種金型、切削工具の長寿命を目的として実地される処理法。一般に行われている表面処理とは異なり、特殊な炉内において磁場エネルギーを利用し、金属組織をナノミクロンで変化させます。硬度を強化し、靭性を補って金属そのものを歪みゼロで強化する革新的な処理法です。

IV. INPLATE−IPX処理は、磁場エネルギーを直接金属組織に作用させるため、エネルギー効率が高く、加工費用においても圧倒的な優位を保ちます。

X. INPLATE−IPX銀盤の特徴は、残留応力の除去、残留オーステナイトの分解などが行われることによる機械的性質の向上にあります.その特徴を引き出すための処理条件については、処理対象物の材質および状態、磁場の種類、さらに磁場照射エネルギーの強さ、照射時間などが重要な要素となります。

Y. INPLATE−IPX処理は低温度で処理できるため、精密加工の切削加工用刃具、ファインブランキング加工の打ち抜加工のパンチ、セミコンダクターのドリル、パンチ、など用途は無限にあります。


 表面処理名 処理温度 ℃
1 INPLATE−IPX 150
2 INP−IPX−IP 280
3 IPX一ナノコートV1 420
4 CVD 1050
5 PVD 480
6 IVD 480
7 PCVD 450
8 TD 1030
9 硬質クローム 280
10 窒化処理 520
11 タフトライト 500
12 モリブデンSH 320

 

インプレートIPXの主な効果

@潤滑性の向上
 高出力エネルギーが刃具表面を瞬時に照射するとき、被加工物にある不純物質を取り除き、さらに磁気スピンが発生し、表面がなだらかな状態となり潤滑性が附加し摩擦係数が減少します(ナノミクロン)。

A刃具の構成刃先を防御する
 IPX処理により電気抵抗が大幅に滅少すると考えられます。これは切削工具と被加工物が強く接触して起こるトラブル(電子磁性が働き磁場がして溶着が起こり磨耗が増大)を未然に制御しているものと考えられています。

B表面硬度を増強し耐摩耗性向上する
 各種金属の表面硬度を増大します。各種材料の表面層を硬化することにより切削工具の耐久改善に効果があります。高出力の磁場エネルギーを各種金属に与えることによって、母材組織が緻密化と同時に数ポイント硬度がアップします。超硬材質、サーメット材質、セラミツク材質等らも同様の効果が見られます。SKH等高速度鋼も硬度は上昇しますが、HV(マイクロビッカーズ)1500位までに硬化層を形成させるには新たな硬化技術も加え複合処理することによってIPX処理の進化を計ります。

CIPX処理は内部注入組織改質技術のため刃具を再研磨しても効果は持続
 IPX処理の最大の特徴が従来のCVD、PVD、TVD、PCVDなどの薄膜コーティングと違うのは、ドリル、タップを再研磨しても寿命延長が維持できるという点。画期的なプロセスでコスト削減を短期間で達成可能にします。

D非鉄金属加工に効果
 IPX処理によって刃具の磁性が滅少するため、耐溶着に効果が見られステンレス、アルミニウム、真鍮、鋼などの切削加工には構成刃先が滅少して切削性がよく長時間維持できます。